いくつかの書籍のあらさがし

目次 
はじめに        ゲートウェイサーヴィス
いくつかの覚え書き      簡易ゲートウェイ
htmllint.cgiの使い方        結果の解説
htmllintの使い方  
規則ファイルの生成          タグ一覧
ダウンロード              色見本
メーリングリスト  
参考までに     
よくある質問と答  
謝辞           作者にビールをおごる

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HTML関係の(日本語の)書籍をいろいろ紹介するつもりなんだけど、そう意気込んでいるだけだったりする。選択の基準は、「たまたま手元にある」または「立ち読みして印象的だった」ということだ。決してお薦め本を紹介するものではありません
ほとんどのHTML参考書は、あらさがし以前にお話にならない出来であることに注意されたい。「あやしい本」や「のけぞる本!」を見ることを薦める(おれと違ってここらはずっと精力的)。以下は出版時期の順。まともな本と、だめな本が混在してます。

注意: ここは久しく更新されていません。それは、HTML本の立ち読みすらしなくなってしまったからです。より新しい情報は、上記サイトを巡ってください。

かなり沢山の解説本が出版されているにもかかわらず、これだけ嘘の書かれた本が横行している分野も珍しいのではなかろか。ちょっとした勘違いとか、ケアレスミスとか、そういったレベルではなく、完全に間違っているのだ。はっきり言って、それらの著者は詐欺を行なっているし、自分の無知をさらけ出している。(まぁ、あんまり人のことは言えないけど :-)
どのくらい正しいHTMLの解説をしているかという評価のチェック項目はだいたい次のような感じ。細かくやるときりがないんだけど、自分の手元の参考書をチェックしてみるといい。

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ユニバーサルHTML/XHTML

神崎正英著 / 毎日コミュニケーションズ / ISBN4-8399-0454-5 / 2000/11

これはとてもいいです。ローラ本を捨てられます。でも、初心者には難しいかも知れません。手っ取り早くHTMLを書きたいと思っている人には向きませんが、ここに書かれているようなことを知らずに済ませてはいけません。じっくり理解したい人向けです。

Nov 21, 2000 top


HTMLハンドブック 改訂第2版

渡辺竜生著 / ソフトバンク / ISBN4-7973-0692-0 / 1998/10

すみけんたろう氏に薦められた。確かにHTML本としてはかなり正確に書かれていて、現時点では、買うなら『正しいHTML4.0 リファレンス&作法』よりこっちだと思う。1章と3章は、HTMLについて駆け足で理解するのによくまとめられている。¥1200というのも安い。ただし、ベースはHTML3.2である。なぜ4.0じゃなくて3.2なのかもちゃんと説明されていて、納得できる。HTML4.0をにらんだHTML3.2解説であり、好感が持てる。スタイルシートは簡単な紹介のみ。CGIはFORMで単語が出てくるだけ。DynamicHTMLは言及されていない。

SGMLへの言及ある。
DTDとSGML宣言SGML宣言はおまけ程度だが、ある。
HTMLバージョンとDOCTYPE宣言ある。
タグと要素の定義正しい。
終了タグの省略と空要素正しい。
ブロックレベル要素とインライン要素ある。
要素限定ある。各タグごとにきちんと一覧があり、非常に好ましい。
<P>正しい。
<Hn>正しい。
<BLOCKQUOTE>正しい。
<DL>正しい。
</LI>ある。
論理フォントタグと物理フォントタグある。
フレーム正しい。HTML3.2にはないことも当然説明されている。
コメント正しい。HTML4.0でのコメントの扱いについては解説なし。
非ビジュアルなユーザエージェントへの言及ある。

リファレンスに誤りがあるのかどうかよく見ていない。たとえあっても誤植とか愛敬とか、そういう程度であろう、と想像できる。

内容の形式 (p.7)
開始タグの直後や終了タグ直前の空白文字は、改行コードとして解釈され、無視される」というのはどこに書いてあるのだろうか。著者の拡大解釈だろうか。少なくともHTML3.2にそのようなことは書いていない(と思う)。HTML4.0には、9.1 に似たことが書いてあるが、改行と解釈されるからなどとは書かれていない。
要素の属性 (p.8)
属性値の引用符の話。「いちいち省略可能条件を考えながら文書を作成して結局間違えるより、最初から「全てつけるもの」と覚えた方がはるかに楽で、間違いも起きません」。利用者には単純な規則で極力少ない制約を課すというこの考え方は好きだな。
HTMLリファレンス (p.19)
HTML3.2リファレンスだが、HTML4.0で廃棄されたLISTING、PLAINTEXT、XMPが含まれていない。
Webブラウザメーカの独自拡張要素 (p.245)
独自拡張に公開DTDがないことは説明されているが、それら拡張タグの内容や親要素について何を元にしているのだろう。
NOSCRIPT要素の機能について (p.251)
要するにNOSCRIPT要素の内容だけを解釈する」というのは間違い。SCRIPTをそもそも理解できないユーザエージェントでは、SCRIPTの内容もただのテキストとして解釈する。たまたまそこがすべてコメントになっていれば表示されないに過ぎない。コメントにしていないと表示される。
FRAMESET (p.252)
親要素にFRAMESETが抜けている。
フレームの入れ子 (p.257)
フレームに限らず、許されるタグの入れ子の深さの限界はSGML宣言にある。
符号化方式 (p.310)
charsetの値に大文字小文字の区別がないのはいいが、値をすべて小文字で紹介しているのはあまり好ましくないだろう。IANAにある表記を使うべきだ。
色名と16進数の対応表 (p.314)
標準でない色名の出典が明記されていない。

Oct 07, 1998 top


スタイルシートWebデザイン

すみけんたろう著 / 技術評論社 / ISBN4-7741-0622-4 / 1998/08

HTML本ではないからHTMLの書き方を勉強するには向かないが、そもHTMLとはなんぞや、というところからHTMLの本質を解説しているので、目を通してみるといい。
スタイルシート本なのに、そのような正しいHTMLの啓蒙から入ったり、あまりにも多くを盛り込もうと欲張っているので、あまり読み易くない。つまり、必要な事柄は網羅されているのだが、例示が少ないので、直感的視覚的に自分のやりたいことがそれでできるのかがにわかにはわからない。初心者にはつらいであろう。『正しいHTML4.0 リファレンス&作法』よりはよほど正しい。

Sep 12, 1998 top


ダイナミックHTML入門

Bruce Campbell+Rick Darnell著 / 安藤慶一訳 / プレンティスホール / ISBN4-89471-048-X / 1998/04

HTML本ではないが、ちょっとだけ。
まず、ダイナミックHTMLに関するさまざまな背景や概念については、かなり詳しく解説されていて、よく知らないけどたぶん正しいのであろう。HTMLについては、文法など知らないとしか思えないほどどうしようもない。
例示でダイナミックHTMLの書き方を説明するのだけれど、理解の妨げになるとしか思えない例ばっかりだ。知りたいのは、そのときのテーマである一点なんだけど、ごちゃごちゃ不必要な具体的過ぎるテキスト盛りだくさんの例でさっぱりわからん。イカの生態なんか知りたくない。さらに、例示だけで終わっていて、応用しようにもどうにもならない。関数に引数を渡したりして抽象化しようという試みが全くない。だから、document.all.xxx なんてのを説明しない。そもそもスクリプトの文法を系統立てて説明しないで、読者に例から類推しろ、という態度だ。
この本読んでもダイナミックHTMLが書けるようにはならないよ。

HTMLにおける親と子 (p.51)
HTMLでのタグの入れ子がスクリプトでどうなる、てな話だから、大目に見るにしても、<OL>直下に<UL>を書いていたりする。また、訳の問題だけど、<DIV>の内容を「第1ディビジョン」とか訳している。こんな訳で意味が通ると思ってるのかね。
CSSの基本 (p.62)
これら2つのタグは<HTML>と<BODY>タグの間に挿入します」。これら2つというのは、<STYLE>と</STYLE>のこと。
Webページにスクリプトを埋め込む (p.186)
理屈から言えば、スクリプトは<BODY></BODY>間ではなく、<HEAD></HEAD>間に記述すべきものでしょう。しかし現実には<HTML></HTML>タグ間であればどこに書いても構いません。(中略) 筆者個人としては</HEAD><BODY>の間が良いとも思っています。ただしスクリプトの場所に関しては標準規格は必要ないようです」。すごいねぇ。理屈から言って標準規格は必要ない、ときたもんだ。

Oct 11, 1998 top


正しいHTML4.0 リファレンス&作法

ビレッジセンターHTML&SGML研究チーム著 / ビレッジセンター出版局 / ISBN4-89436-111-6 / 1998/03

あちこちからのぱくりの蘊蓄盛り沢山てな感じのする内容であるが、そこいらのHTML参考書に較べるとだいぶ正確である。重箱の隅をつつくようなことができるのもそのためなんだけど、実はリファレンス部分はちゃんとは読んでなかったりする。リファレンスはW3Cので十分だからだ。
あとがきに、「ひとかたならぬお世話になった」とある。はて、確かにメールを1~2度やりとりしたが、それだけだ。ひとかたならぬお世話をした記憶はあまりないのだ。節々に Another HTML-lint からの引用らしきところがあるので、それを言っているのならそうかも知れない。
内田明氏の感想も読むとよい。

SGMLへの言及ある。
DTDとSGML宣言DTDはあるが、SGML宣言はない。
HTMLバージョンとDOCTYPE宣言ある。
タグと要素の定義ある。が、不正確。
終了タグの省略と空要素ある。が、空要素という言葉は出て来ない。
ブロックレベル要素とインライン要素ある。
要素限定ある。
<P>正しい。
<Hn>正しい。
<BLOCKQUOTE>正しい。
<DL>正しい。
</LI>ある。
論理フォントタグと物理フォントタグある。
フレーム正しい。
コメント-- については正しくない。
HTML、SGML (p.14)
SGMLとはマークアップ言語のためのシステムを指し」とは何だろう。SGMLはマークアップ言語じゃないのか?
エレメント、タグ (p.14)
タグというのは、文書をマークアップするための < と > で囲まれた文字列のことである。<P> というのは P要素の開始タグ、</P> は終了タグという。この、開始タグから終了タグまでが要素(エレメント)である。例えば、<P> から </P> までが P要素だ。つまり、要素=開始タグ+内容+終了タグ である。ただし、<BR> のように終了タグがない要素は空要素と呼ばれ、このタグだけで要素を構成する。では P 自身は、というと、それは要素名である。
この著者は、タグを単純にエレメントと言い換えていることが多々あり、かえって読者を混乱させている。断じて タグ=エレメント ではない。
実体参照、文字参照 (p.14)
普通、数文字参照は 10進数で行なわれる。16進数にしたければ、&#x6C34; だ。&#6C34; は間違い。ただし、16進表記は HTML4.0からで、SGMLにはない。
要素、コンテナ (p.15)
Content は、どう考えても内容だろう。要素は element だ。原文のどこを読んだか知らないが、RFC1866の 3.2.2 では、The content of an element is a sequence of data character strings and nested elements. のように、要素の内容と使われている。
HTML仕様書、DTD (p.16)
HTML2.0などは、W3CでなくRFCにある。
DTDとは、HTML文書形式のHTML仕様書の中に含まれている云々」とは何のことだろう。PUBLICなDTDなんてのは、どっかにあるテキストファイルだ。ましてやHTML文書形式のファイルの一部である必然性はない。また、HTML言語てのは重言だし、だいたい、HTMLは SGMLという言語の一応用に過ぎない。で、どのように応用するかというと、マークアップの方法をSGMLで記述したDTDと呼ばれる定義を用意することだ。
ユーザエージェント (p.16)
ユーザエージェントとSGMLは何の関係もない(と思う)。HTMLとはちょっと関係がある。つまり、どこかのサーバに置いてある誰かさんのHTMLを見たりするために、クライアント(例えばあなたのパソコン)が見せろと要求するわけなんだけど、その要求を処理するシステムのことをユーザエージェントという。これはRFC1866に書いてある。文字通りあんたの代理としてHTMLを持ってきてくれるのだ。だから、そのソフトウェアはWWWブラウザとは限らない。もしかしたら、ソフトウェアじゃないかも知れない。ユーザエージェントには検索ロボットなど、ブラウジングを目的としないものも多い。また、例えばメーラもメールを扱うユーザエージェントだ。なお、HTMLブラウザというのは適切ではない。たいていは、プレーンテキストや画像などHTMLでないものもブラウズするからだ。
DOCTYPE宣言 (p.38)
だから、HTML文書ははじめと終わりをHTMLエレメントでくくっている」というのは間違い。内容も含んでエレメントだから、HTMLタグでくくると言わなけりゃならないし、そもそも、DOCTYPE宣言で、<HTML> で囲むように宣言されているのだ。だから、<HTML> より前にDOCTYPE宣言が必要なのだ。例えば、DOCTYPEが、
    <!DOCTYPE FOOBAR PUBLIC ~>
なんてなっていたら、<FOOBAR>~</FOOBAR> で囲まれる仕掛けだ。ただし、そんなことがちゃんとできるWWWブラウザがあるのかどうかは別の話。
ブロックレベルとインラインエレメント (p.40)
こんなのは、何もHTML4.0での目新しい概念ではない。
&Copy; は &copy; の間違い。
文字列のダブルコーテーション (p.48)
HTML4.0では、アンダスコア、コロンも名前文字として許されている。この事実は、104ページの ID、NAME のところに明記されている。つまり、HTML4.0では、アンダスコアが含まれていても引用符で囲む必要がないということだ。これは、著者が属性値の引用符の省略がどういうSGML的意味を持つのか理解していないことを意味する。DTDは見るが、SGML宣言には目を通していないということ。
META http-equiv="Content-Type" (p.53)
<META>は、RFC1866によると、HTTPサーバがそれを解釈してレスポンスヘッダ中に情報を埋められるようにと考えて作られたものだということが窺える(実際にそんなことをやっているサーバが存在するのか僕は知らない)。だから、<META>は本来はWWWブラウザのための情報ではない。サーバがこれを解釈してCHARSETを正しく通知していれば、WWWブラウザはその通りに最初から表示できるはずなのだ。
左右2分割フレーム (p.75)
フレームは入れ子にできるので、contents.htmlなどがTransitionalになるというのはおかしい。Framesetになるかも知れない。ただ、この例ではNOFRAMES内でも参照しているからおそらくTransitionalなのであろう。
コメントは乱用しない! (p.82)
HTMLでのコメントについては、RFC1866に書かれていて、SGMLのそれよりも厳しい。ここでは、単純に -- と -- の間がコメントであるなどとは書かれていない。本文中「見える」となっている部分は空白文字だけが書けるので要注意。つまり、このコメントの例はSGMLとしては正しいが、HTMLとしては正しくない。HTML4.0では中に -- は書かないようにと書かれている。いずれにしても、どこかで聞きかじったことを鵜呑みにしているだけなことが露見している。
BOOL属性のアトリビュート (p.95)
おかしな言い回しだが、それは置いておく。<TABLE BORDER> という書き方はあり得る。<TABLE BORDER=BORDER> の省略形だと解釈すればよい。さらに値BORDERが#IMPLIEDと解釈されるなら、それが1でもいいわけだ。偉そうなこと言ってるが、実は僕も指摘されるまで誤解していた。昔 Another HTML-lint にそっくりなことが書いてあった(言い回しまでそっくり)が、今は削除されている。
ついでに、HTML4.0で <TABLE BORDER> と書いても <TABLE BORDER=BORDER> に解釈されない。<TABLE FRAME=BORDER> と解釈される、はずだ。SGML的には。
基本タイプ (p.104)
要素モデルにおけるCDATAとアトリビュート値(原文ママ)でのCDATAではちょっと意味が違う。前者でのCDATAは、実体参照もタグも何も評価されない。改行は改行、空白は空白だ。SGMLの外の世界ということ。</ という終了タグの開始記号が現われるとSGML的解釈に戻る。#PCDATAは、実体参照もタグもすべてSGML的に解釈される世界。一方、アトリビュート値のCDATAは、単に好きな文字列的な意味しかない。実際にHTML中で書かれる値はSGML的テキストなので、実体参照が評価される。ただし、タグ内での記述なので他のタグを書いたりすることはできない。
文字列 (p.105)
%Text; と、正しくセミコロンを付けていないのはいただけない。以下同。
i18n (p.111)
これは、internationalization の略だ。つまり、i と n の間に 18字あるという意味。どこにも語源が書いてないから、たぶん知らないんだろう。
1枚だけのフレーム (p.162)
CGIパラメータ区切りの & も実体参照を用いなきゃならないことに触れていない。実際、多くの人が実体参照を用いていない。RFC1866にもHTML4.0にも明記されているのに。
SGIてのは無知だから僕は知らない。SSIなら知っている。なお、SSIを用いたHTMLでは、拡張子を .shtml などとして、サーバに対してSSI用のパージングを促すというようなことも行なわれることがある。これは、サーバがどう設定されているかによる。が、僕は区別するのは嫌いだから、SSI用でも .html になるように設定している。
ついでに、CGIは Common Gateway Interface で、SSIは Server Side Include だから、全然語源が違う。最近は、PHP/FI (Personal Home Page Construction Kit/Form Interpreter) てのもあって、これは拡張子を .phtml にすることが多い。
フォント属性 (p.244)
italicとobliqueは同じではない。obliqueは単にフォントを傾けるだけだが、italicは専用の別のフォントが使われるかも知れない。
TABLEの罫線を実線にする (p.257)
ここで述べているのはWWWブラウザ依存の話で、CSS1とは無関係だ。そもそもCSS1はTABLEには対応していないから、意味のない議論をしていることになる。

Apr 01, 1998 top


簡単に作れるホームページHTML入門

石塚啓著 / 成美堂出版 / ISBN4-415-08600-4 / 1998/02

Netscape Composer と FrontPage Express でのホームページ作成術を説く。能書きにWWWの歴史や、HTMLの背景などくどくど書かれているが、W3Cは登場しない。当然RFCやW3Cの公式ドキュメントを読んだ形跡はない。それどころか、新機軸の独自解釈が多いので、他の文献は何も参照していない可能性すらある。

SGMLへの言及なし。
DTDとSGML宣言なし。
HTMLバージョンとDOCTYPE宣言なし。
タグと要素の定義なし。
終了タグの省略と空要素なし。
ブロックレベル要素とインライン要素なし。
要素限定なし。
<P><P>を段落と言っていながら、改行して1行空行ができるとしている。
<Hn>一番大きな見出し等と解説。
<BLOCKQUOTE>本文に対してインデントをつけるものと解説。
<DL>不明。
</LI>なし。
論理フォントタグと物理フォントタグなし。
フレーム<NOFRAME>(Sなし)。<FRAMESET>の中には書いている。
コメント-- の対については言及なし。

立ち読みにつき、ページは不明。丹念に読むと、この手の嘘八百はぞろぞろ出てきそうだ。\ によるエスケープの記述が印象的だったのでここで紹介した次第。

URLのUは Universal の略だとしている。RFC1630のURI(URLではなくて)ではそうなんだけど、URLは Uniform だよ。
文字列中に " を含めたいときは \" とするんだと。そんで \ を含めたいときは \\ なんだとさ。ここでの文字列というのは属性値のことだ。
属性値を引用符で囲むべきかとか、そういった微妙な話は一切なし。だから、囲むべきものを囲んでなかったりする。

May 23, 1998 top


HTML入門第2版

Laura Lemey+Arman Danesh 著 / 武舎広幸+久野禎子+久野靖訳 / プレンティスホール / ISBN4-89471-018-8 / 1998/01

HTML入門の改訂版。HTML4.0対応を謳っている。フレーム、ダイナミックHTML、スタイルシートなど、ほんのさわりだけの加筆はあるが、その実何も改訂されていない。だから、HTML2.0あるいはそれ以前のままの記述である。所々に、HTML4.0ではこうだ、というコラムが挿入されているが、古い記述は何も修正されていない。もしかして、HTML4.0はHTML2.0の上位互換だと思っているのかも知れない(そんなこたないって)。この本は、HTML文法に関してはだめな本の仲間なので注意するように。すべて立ち読み評価。

SGMLへの言及ある。
DTDとSGML宣言なし?
HTMLバージョンとDOCTYPE宣言ある。
タグと要素の定義ある。
終了タグの省略と空要素ある。
ブロックレベル要素とインライン要素なし?
要素限定付録にある。
<P>正しい。
<Hn>正しい。
<BLOCKQUOTE>正しい。
<DL>正しい。
</LI>なし。</DT>、</DD>もなし。
論理フォントタグと物理フォントタグある。
フレームなんと<NOFRAME>。
コメント-- の対については言及なし。
<LI>タグは単独で使われるタグですから終了タグはありません (p.73)
いつの話をしてるんだよ。
HTMLではホワイトスペースはすべて無視されます (p.60)
と書いてあって、例示があるが、これは嘘だ。HTML4.0では、タグ前後の空白などに言及してるだけで、これでは英語などの分かち書きができないではないか。
<DT>と<DD>に終了タグはありません (p.79)
やれやれ。
<MENU>、<DIR> (p.81)
今どき、<MENU>と<DIR>を解説するかよ。HTML4.0対応なんだろ。
<ABBR>はHTML4.0ドラフト(97/9)までは<ACRONYM>でした (p.133)
HTML4.0には両方生きてるよ。
<PRE>内に<IMG>書く例がいまだに載っている (p.220)
本当にHTML4.0を読んでんのかなぁ。
<NOFRAME> (p.458)
なんと<NOFRAME>だ。これだけで権威失墜。

May 30, 1998 top


SoftwareDesign 1997年7月号

雑誌 / 技術評論社 / 1997/07

この号の特集は「一歩進んだWebページ作成術」だ。

間違いだらけのWebページ作り (p.18)
石川雅康先生のこの記事は一読の価値がある。
よりよいWebページデザインを考える (p.32)
だめ。お話にならない。どうしてこんなのが石川先生のと並んでるんだろう。最初に役所のWebページを罵倒しているけど、この人も五十歩百歩だ。まず見栄え、というアプローチからしてHTMLらしくない。本質的でない飾りの部分にJavaScript使うのはペイしないだって? さんざ飾り付けの方法論喋っていながら何言ってんのかね。見栄え重視なんだから、努力を惜しまずかっこよくしろよ。要はプログラミング能力がない、と見たね。
サンプルは間違いだらけのHTMLだ。こういう人たちは、リファレンスはあまり読まず、試行錯誤でタグをばらまいて、せっせと意図した見栄えを追及しているんだ。で、自分で感激すると裏技とか言って自慢するわけだな。ありがちなことだ。

Mar 26, 1998 top


新・HTML&CGI入門

笹木望+太田晶宏+藤崎真美共著 / エーアイ出版 / ISBN4-87193-496-9 / 1996/12

MozillaやMSIEでどう実装されているか、どう見えるか、という解説本。著者らは、DTDやW3Cのリファレンスを読んだことがないと思われるが、「正しいHTML」を知っていると自負しているらしい。いちいち指摘すると膨大になるので、斜め読みして目に付いた所のみ。

SGMLへの言及ある。
DTDとSGML宣言なし。
HTMLバージョンとDOCTYPE宣言なし。タグのサポート状況はMozillaとMSIEのみ。
タグと要素の定義タグの定義はあるが、マークアップという言葉は出て来ない。要素はなし。
終了タグの省略と空要素なし。
ブロックレベル要素とインライン要素なし。
要素限定なし。
<P><P>の場所で改行されて1行空行ができる。お尻<P>。
<Hn>ヘッダタグと紹介し、フォントサイズを変更すると解説。入れ子にできるとも解説している。
<BLOCKQUOTE>一応、引用という言葉が出てくるが、段落という見出しだ。
<DL>正しく「言葉の定義などについて解説するためのタグ」としている。
</LI>なし。</DT>、</DD>もなし。
論理フォントタグと物理フォントタグある。
フレーム<NOFRAME>(Sなし)を<FRAMESET>の外に書いている。
コメント<! ~ >でもOKとしている。-- の対については言及なし。
HTMLファイルのTips集 (p.21)
ファイル名に拡張子を付ける必然性はない。
アニメーションするタイトルタグ (p.35)
複数の<TITLE>は、無視されるのではなく、書くことは禁止されている。
コメント (p.38)
<! ~ >でもコメントになるとしている。特にコラム「コメント中のタグ」は大嘘。
背景・文字色指定 (p.40)
「正しいHTML」を知っている人の書く文章かよ、これ。複数の<BODY>を書いちゃいけないんだよ、あほんだら。たくさん<BODY>書くように薦めてるようなもんじゃないか。
段落 (p.60)
将来的には</P>が「正しいHTML」としての条件だ、などとしている。
<BQ>を知っているということは、HTML3.0をかじったことがあるということだ、なんてのはたぶんかいかぶりで、どこかで<BQ>を見たか聞いたかしたんだろう。将来<BQ>になるという話は聞かない。HTML4.0にもない。
整形済みテキストの表示 (p.62)
<PRE>は、「HTMLの概念からいえば邪道なタグ」なんだってさ。
マーク付きリスト (p.69)
「<LI>タグは<BR>タグを内包している」?
もう、やになった。以下略。

Mar 31, 1998 top


続・HTML入門

Laura Lemey 著 / 武舎広幸+久野禎子+久野靖訳 / プレンティスホール / ISBN4-931356-29-X / 1995/12

HTML入門の続編。HTMLそのものの解説本ではない。より詳しいプレゼンテーションの方法や、セキュリティなどを説く。HTML2.0標準化直前に書かれており、日の出の勢いのNetscape Navigator(Mozilla)での対応状況に多くのページを割き、今はなきHTML3.0に1章割り当てている。ここでは、Mozillaの解説が正しいかなんてことには目を向けない。HTML3.0も死んだ仕様なのでどうでもいい。

横線 (p.19)
WIDTH=50% というのは正しくない。WIDTH="50%" だ。もしかして、Mozillaは名前文字セットに % を含めているなんて可能性はあるんだけど、DTDがないので確認はできない。
文字の大きさ (p.23)
SIZE=+2 というのも正しくない。
バックグラウンドカラーの指定 (p.29)
BGCOLOR=#000000 なんてのも正しくない。もっとも、Mozillaは、こういうのもすべて受け入れているので、それを承知した上であえてこのように書いているのかも知れない。
<FONT>タグのどこが議論の的になっているのですか (p.41)
この議論と、この前のWWWブラウザ限定の話は、今も頻繁に行なわれている話だ。こんな昔から言われているのに、世間はややもすると見栄え優先に走りがちである、ということ。
GETとPOST (p.172)
ここにあるURLの例は、HTMLとしては危険。区切りは & ではなくて &amp; などとする必要がある。
HTMLの完全性を検証しなくてはいけない根拠がまだわかりません (p.251)
この質問も脈々と繰り返されている。

Apr 09, 1998 top


HTML入門

Laura Lemey 著 / 武舎広幸+久野禎子+久野靖訳 / プレンティスホール / ISBN4-931356-19-2 / 1995/06

HTML本の古典である。古典であるから、HTMLの文法やWWWブラウザなどに関しては内容が古臭い。例えば、ブロックレベル要素とインライン要素には言及されていない。それら以外の、周辺を取り巻くさまざまな概念は、今でも通用する良書である。ここでは、単にHTMLに関することだけに注目したけど、古さを除けば間違いはないんだ。

SGMLへの言及ある。
DTDとSGML宣言なし。
HTMLバージョンとDOCTYPE宣言HTMLバージョンはあるが、DOCTYPEはなし。
タグと要素の定義ある。
終了タグの省略と空要素ある。
ブロックレベル要素とインライン要素なし。
要素限定なし。
<P>お尻<P>。
<Hn>正しい。
<BLOCKQUOTE>正しい。
<DL>正しい。
</LI>なし。</DT>、</DD>もなし。
論理フォントタグと物理フォントタグある。
フレームなし。
コメント-- の対については言及なし。
HTMLはドキュメントの構造を記述する (p.50)
HTMLでは表示方法は規定しない (p.51)
これだよ、これ。この基本は今でも同じだ。昨今の参考書は、MozillaやMSIEでの表示のされ方ばっか説いている。
HTMLのレベル (p.52)
レベル2とはHTML2.0のことであり、レベル3はHTML3.0のこと。HTML3.0は、HTML3.2によって上書きされて、今では使用できない。
HTMLファイルの整形について (p.57)
空白は必ずしも無視されるわけではない。連続する空白は、たいていはひとつの空白に置き換わる。
パラグラフ (p.67)
今どきHTML1.0でもないので、<P>をお尻に書くようなことはしてはならない。
番号付きリスト (p.101)
HTML2.0以降では、<LI>には終了タグがあるので、念のため。他にも、<DT>や<DD>なども同様。
代替文字列の指定 (p.186)
<IMG>を<PRE>で囲むことは、今ではできない。

Mar 31, 1998 top


Updated: Nov 28, 2011 16:17
Created: Mar 16, 1998 © by [email protected]